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空室がなかなか埋まらない賃貸物件。まず見直すべき5つのポイント③

2026/8/30

空室対策③ 写真と間取り図の見せ方

前回は「募集条件」についてお話ししました。

第3回となる今回は、「写真と間取り図」について考えてみたいと思います。

現在の賃貸住宅探しでは、まずインターネットで物件を検索し、その中から気になる物件を絞り込んでいくことが一般的です。

その際、入居希望者が最初に確認する情報の中でも、特に重要なのが写真と間取り図です。

どれだけ条件の良い物件であっても、写真が少ない、間取り図が分かりづらい、そもそも間取り図が掲載されていないといった状態では、詳細を見てもらえなかったり、内覧候補から外れてしまったりすることがあります。

逆に、築年数が経過している物件であっても、室内の状態や特徴、間取りがきちんと伝われば、「一度見てみよう」と思ってもらえる可能性は高くなります。

① 写真と間取り図は「物件を選んでもらう入口」

写真と間取り図は、単に物件情報を補足するためのものではありません。

入居希望者にとっては、その物件に興味を持つかどうかを判断するための重要な材料になります。

例えば、同じような賃料、同じような立地の物件が並んでいた場合でも、明るく室内全体が分かる写真と、各部屋の配置が分かりやすい間取り図が揃っている物件の方が、生活を具体的にイメージしやすくなります。

写真の良し悪しや間取り図だけで入居が決まるわけではありませんが、そもそも内覧候補に入れてもらえなければ、物件の良さを伝える機会すらありません。

② 写真は「枚数」だけでなく「何を見せるか」が大切

写真は多ければ良いというものでもありません。

居室だけを何枚も掲載するのではなく、入居希望者が知りたい情報を一通り確認できるようにすることが重要です。

例えば、居室全体、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、収納、玄関、バルコニー、エアコンやインターホンなどの設備、建物外観、共用部分、駐車場、駐輪場など、実際に生活することを想像できる写真があると、物件のイメージを掴みやすくなります。

また、収納の大きさやコンセントの位置、設備の種類など、間取り図だけでは分からない部分についても写真で伝えることができます。

③ 間取り図も重要な募集資料

写真と同じくらい重要なのが間取り図です。

写真だけでは、各部屋の位置関係や玄関から居室までの動線、収納の位置、水回りの配置などを把握しづらい場合があります。

間取り図があれば、入居希望者は現在持っている家具が置けるか、生活動線に問題がないかなどを事前に考えることができます。

また、古い間取り図をそのまま使用していて、実際の設備や間取りと異なっているケースもあります。

リフォームなどで間取りや設備が変更された場合には、写真だけでなく間取り図についても見直す必要があります。

④ 仲介会社任せにせず、募集素材を準備しておく

募集を開始すれば、仲介会社が写真を撮影したり、間取り図を作成したりしてくれると思われるかもしれません。

しかし、仲介会社に依頼しても、なかなか写真を撮りに来てもらえないこともあります。

その間にも空室期間は続いていきます。

そのため、仲介会社が対応するのを待つのではなく、こちらであらかじめ写真を撮影し、間取り図と併せて募集に使える資料として用意しておくことも重要だと思います。

特に注意したいのが、募集開始時に提供する写真や間取り図です。

例えば、リフォームや原状回復工事が完了した後に新しい写真を撮影し、「以前の写真から差し替えてほしい」とお願いしても、全ての掲載先で速やかに差し替えてもらえるとは限りません。

募集情報は複数の仲介会社や不動産ポータルサイトなどへ広がっていきますので、一度古い情報が流通すると、その後の差し替えが徹底されないケースもあります。

だからこそ、最初の段階で募集に使用しても問題のない写真と間取り図を用意しておくことが大切です。

「とりあえず募集を開始して、後から差し替えればいい」という考え方ではなく、募集開始時点から見せ方を整えておく必要があります。

⑤ 事業用物件ほど募集情報の作り込みが重要

これは住居だけでなく、事業用物件でも同じです。

事業用物件ではありがちですが、業者間で募集情報は流通しているものの、募集の窓口となる管理会社が写真はおろか間取り図も作成しておらず、更には専有面積を「0㎡」としているようなケースもあります。

これでは、紹介する側から見ても室内の状況や広さが分かりません。

また、専有面積などの基本情報が正しく入力されていなければ、仲介会社が物件を検索しても条件にヒットせず、紹介してもらう機会そのものを失うことにもなりかねません。

業者向けの募集情報であっても、写真、間取り図、専有面積、設備、使用条件など、基本的な情報をしっかり作り込んでおくことが重要だと思います。

⑥ 写真だけでなく動画も用意する

最近では、内見前の確認用として、あるいは実際の内見の代わりとして、仲介会社が室内の動画を撮影しに来るケースもあります。

写真や間取り図だけでは伝わりにくい部屋の広がりや、玄関から居室までの動線、収納の位置、設備の配置などは、動画の方が分かりやすい場合があります。

そうであれば、写真や間取り図と同じように、あらかじめ室内動画を用意しておくという方法も考えられます。

仲介会社から問い合わせがあった際に、写真、間取り図、動画まで一式で提供できれば、仲介会社側もお客様へ物件を紹介しやすくなります。

募集というと、入居希望者に直接どう見せるかに目が向きがちですが、実際に物件を紹介してくれる仲介会社が「紹介しやすい状態」を作っておくことも重要だと思います。

写真と間取り図も募集戦略の一つ

空室対策というと、まず賃料を下げることを考えがちです。

しかし、賃料を下げる前に、現在掲載されている写真や間取り図を一度確認してみることも必要です。

写真が少ない、暗い、古い、間取り図が分かりづらい、設備や専有面積などの情報が不足しているなど、改善できるところが残っているかもしれません。

数千円家賃を下げれば、その影響は入居期間中ずっと続きます。

一方で、写真や間取り図、動画といった募集素材を整えることは、比較的少ない負担で取り組むことができます。

そして、こうした素材を仲介会社任せにせず、あらかじめ準備しておけば、募集開始から物件の魅力をきちんと伝えることができます。

賃貸募集では、物件そのものだけでなく、「どのように見せるか」、そして「仲介会社がどれだけ紹介しやすい状態を作れるか」も重要な募集戦略の一つだと思います。