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空室がなかなか埋まらない賃貸物件。まず見直すべき5つのポイント ④

2026/9/1

前回は「写真と間取り図」についてお話ししました。

第4回となる今回は、「設備」について考えてみたいと思います。

各業界紙などで「人気設備ランキング」を目にする機会も多く、空室対策として設備の追加や更新を検討される大家さんも多いと思います。

もちろん、設備は物件を選んでもらううえで重要な要素の一つです。

しかし、人気の設備を付ければ必ず入居が決まるわけでも、その分だけ高い家賃が取れるわけでもありません。

当社としても、空室対策だからといって設備の追加や更新を積極的にお勧めしているわけではありません。

設備投資には費用が掛かり、設置後には故障や交換などの維持管理も必要になります。そのため、まずは賃料、募集条件、写真や間取り図、募集方法など、設備投資以外に改善できるところがないかを確認したうえで、本当に必要な場合に検討するという考え方を基本としています。

大切なのは、その物件に住む入居者が何を求めているのか、そして費用を掛けるだけの効果が見込めるのかを考えることだと思います。

① 「人気設備」と「必要な設備」は違う

インターネット無料、宅配ボックス、オートロック、浴室乾燥機、追い焚き機能など、人気とされる設備はいくつもあります。

しかし、物件の立地、築年数、間取り、家賃帯、想定する入居者層によって、人気の設備や必要な設備は変わります。

例えば、単身者向けの物件とファミリー向けの物件では求められる設備は当然異なります。

また、ある設備を追加することで仮に家賃が月額5,000円高くなるのであれば、入居希望者から見れば、その設備は「欲しい設備」ではなく「無くてもよい設備」になる可能性もあります。

自動車移動が中心の地域であれば、室内設備を充実させること以上に、駐車場を確保できることの方が重要になる場合もあります。

ランキングを見て「最新だから」「人気だから」という理由だけで設備を追加するのではなく、募集している部屋だけでなく建物全体を見ながら、長期的な視点で何があればプラスになるのかを考えることが重要です。

② 設備投資は長期的な視点で考える

設備を追加する以上、当然ながら費用が発生します。

数万円で設置できるものもあれば、数十万円、場合によってはそれ以上の費用が掛かるものもあります。

ただ、入居者が物件を選ぶ際には、設備だけではなく、立地、広さ、賃料、間取りなど様々な要素を総合的に比較します。

特に、設備を追加したからといって、それだけが物件を選ぶ決め手になるケースは案外少ないようにも感じます。

その意味では、設備投資は空室対策の「切り札」というよりも、物件のネックとなっている部分や、経年によって古さを感じさせる部分を底上げするものという位置付けで考えた方がよいと思います。

当社でも、まず設備を追加するという考え方ではなく、現在の物件で何が入居の妨げになっているのかを確認し、その解決策として設備投資が適切なのかを考えるようにしています。

③ 既存設備の更新という考え方

新しい設備を追加するだけでなく、既存設備を見直すという考え方もあります。

例えば、古く変色したエアコン、昔ながらのインターホン、古い水栓、黄ばんだ照明器具などは、機能上は使用できたとしても、入居希望者から見れば物件の古さを感じる要因になることがあります。

新しい機能を増やすのではなく、既存設備を現在の標準的なものへ更新することで、物件全体の印象が改善する場合もあります。

ただし、当社では使用できる設備を空室対策だけを目的として次々に交換することを積極的にお勧めしているわけではありません。

特に築年数が経過した物件では、設備の状態、今後の耐用年数、交換費用なども考慮しながら、古さを強く感じさせる部分や、入居後の故障によるトラブルが懸念される部分を優先して更新するという考え方が現実的だと思います。

④ 「付けた設備」を募集で伝える

設備を導入・更新しても、その情報が入居希望者に伝わらなければ十分な効果は得られません。

例えば宅配ボックスを設置したのであれば、物件情報に「宅配ボックスあり」と登録するだけでなく、写真も掲載した方が分かりやすくなります。

インターネット無料であれば、単に「インターネット無料」とするだけでなく、分かる範囲で通信速度などの情報も明記しておくと、入居希望者が判断しやすくなります。

前回の「写真と間取り図」にもつながりますが、設備を改善することと、その改善内容を募集情報へ正しく反映することはセットだと考えています。

⑤設備は「足し算」だけではない

空室が続くと、「何か設備を付けなければ」と考えてしまいがちです。

しかし、設備は多ければ多いほど良いというものではありませんし、設備に目を向けることで、他に改善できることを見落としてしまう場合もあります。

また、設備を追加すれば、導入費用だけでなく、将来的な故障、修理、交換などの維持管理負担も増えていきます。

そのため、設備の追加や更新を検討する際には、

① その入居者に本当に必要なのか?

②他に対策できることはないのか?

③費用を掛けるだけの効果が期待できるのか?

という点を考えることが大切です。

当社では、設備の追加や更新を空室対策の第一選択とは考えていません。

まずは現在の募集状況を確認し、賃料、募集条件、写真や間取り図、仲介会社への情報提供など、費用を大きく掛けずに改善できるところから検討します。

そのうえで、物件の弱点を補うために必要であり、長期的に見ても効果が期待できるのであれば、設備の追加や更新を選択肢の一つとして考えるべきだと思います。

空室対策における設備投資は、流行している設備を闇雲に追加するのではなく、物件ごとに必要性と優先順位を見極めることが重要だと考えています。