賃貸管理ならaies地所へ
2026/9/5

賃貸経営をしていると、「今の管理会社のままで良いのだろうか」と感じることがあると思います。
一方で、管理会社を変更すると、入居者への案内、家賃の送金先、保証会社、各種契約などにも影響するため、多少の不満があっても簡単には変更しづらいものです。
「長年付き合っているから」
「担当者は良い人だから」
「変更するのが面倒だから」
という理由で、そのまま任せ続けているケースも多いと思います。
もちろん、少し不満があるからといって管理会社を変更する必要はありません。
しかし、管理会社の仕事は毎月の家賃を集金し、入居者から連絡があった時だけ対応することではありません。
空室、修繕、入居者対応、建物管理、契約、収益改善など、賃貸経営全体に関わる仕事です。
今回は、現在の管理会社を見直す一つの目安として、7つのポイントについて考えてみたいと思います。
管理会社について大家さんから、
「担当者は良い子なんだけどね」
という話を聞くことがあります。
もちろん、人柄や話しやすさは非常に大切です。
しかし、「感じの良い担当者」と「賃貸管理に詳しい担当者」は必ずしも同じではありません。
賃貸管理では、入居者対応、賃貸借契約、保証会社、修繕、設備、空室募集、保険など、幅広い知識と判断力が求められます。
何を質問しても「確認します」となり、なかなか回答が返ってこない。担当者自身に判断できる範囲がほとんどない。
このような状態であれば、人柄とは別に、管理担当者として十分なのかを考える必要があります。
また、特に組織の大きな管理会社では、担当者の異動や退職によって担当が変わることも多く、担当者によって知識、経験、対応速度などに大きな差が出ることがあります。
「前の担当者は良かったのに、担当が変わってから対応が悪くなった」
という話も珍しくありません。
管理会社を選ぶ際には、一人の優秀な担当者がいるかどうかではなく、担当者が変わっても一定水準以上の管理ができる体制になっているかを見ることも重要だと思います。
管理会社からほとんど連絡がないというのも、一つのサインです。
毎月家賃が入っているから問題ないと思われるかもしれませんが、賃貸管理は集金業務だけではありません。
建物の状況、入居者からの問い合わせ、修繕状況、空室募集の反響など、大家さんが把握しておいた方が良い情報は色々あります。
特に遠方に物件を所有している場合には、管理会社からの情報がなければ現地の状況を把握することが難しくなります。
ここで注意したいのは、
「何も起きていない」のか、「何も確認していない」のかは全く違う
ということです。
また、定型的な報告書を毎月送ってくるだけという場合もあります。
もちろん定期報告は必要ですが、毎月同じことを繰り返し、そこから何を考え、何を改善するのかという視点がなければ、単調に管理業務をこなしているだけになってしまいます。
物件の変化を見付け、問題になりそうなことを把握し、必要に応じて大家さんへ提案するところまでが管理会社の仕事だと思います。
空室が長期化したからといって、直ちに管理会社が悪いということではありません。
立地、築年数、間取り、賃料などによっては、どうしても募集に時間を要する物件もあります。
問題なのは、何カ月も空室が続いているにもかかわらず、
「もう少し様子を見ましょう」
というだけで、具体的な分析や提案がない状態です。
問い合わせは何件あったのか。
内見は何件あったのか。
内見後、なぜ申込みにならなかったのか。
競合物件と比較して賃料はどうなのか。
募集条件に問題はないのか。
写真や間取り図は十分なのか。
ポータルサイトへ掲載されているのか。
仲介会社へ十分に情報が流通しているのか。
確認できることは沢山あります。
問い合わせ自体が少ないのであれば、賃料や募集情報に問題があるかもしれません。
問い合わせはあるものの内見につながらないのであれば、写真や初期費用などを確認する必要があります。
内見は多いのに申込みにならないのであれば、実際の室内状態や競合物件との差を確認する必要があります。
空室募集は、物件情報を掲載して終わりではありません。
反響を確認し、原因を仮定し、対策を実行して、もう一度反響を見る。
こうした作業を繰り返す必要があります。
何カ月も同じ募集条件、同じ写真、同じ募集方法のままで空室が続いているのであれば、一度管理内容を確認した方が良いと思います。
賃貸管理では、設備故障、漏水、騒音、駐車場問題、契約上の問題など、様々なトラブルが発生します。
その際、
「入居者からこう言われています。どうしますか?」
「業者から見積りが来ました。工事しますか?」
というように、届いた情報をそのまま大家さんへ転送し、全ての判断を大家さんへ委ねるケースがあります。
もちろん、費用負担を伴うものなどについて、最終的に判断するのは大家さんです。
しかし、管理会社を入れている以上、
「当社としてはこちらの対応が良いと思います」
「A案とB案があります」
「費用は掛かりますが、将来的にはこちらの方法が良いと思います」
といった、専門家としての見解や判断材料があって然るべきだと思います。
反対に、大家さんへの十分な説明もなく、
「私がこう判断しました」
と投げやり気味に処理するのも違います。
管理会社の役割は、大家さんに判断を丸投げすることでも、勝手に判断することでもありません。
専門家として考えを示し、その根拠を説明したうえで、大家さんが判断できる状態を作ることだと考えています。
管理会社の姿勢は、平常時よりもトラブルが起きた時に表れやすいものだと思います。
問題が発生すると、事実関係や解決方法を考える前に、
「当社には責任がありません」
「当社の業務範囲ではありません」
というように、自社を守ることを最優先するケースがあります。
もちろん、管理会社として責任範囲を明確にすることは必要です。
しかし、責任の所在を整理することと、目の前で起きている問題を解決することは別です。
まず、入居者や建物にどのような影響が出ているのか。
被害を拡大させないためには何をするべきなのか。
原因は何なのか。
どのように解決するのか。
こうしたことを整理したうえで、必要に応じて責任の所在を確認すれば良いと思います。
「誰が悪いのか」から考える会社なのか、「どう解決するのか」から考える会社なのか。
トラブルが発生した時の対応は、管理会社を判断するうえで非常に重要なポイントだと思います。
昨今は建築資材や人件費なども上昇し、修繕工事に掛かる費用も以前より高くなっています。
もちろん、必要な修繕を行わないという意味ではありません。
しかし、業者から出てきた見積りをそのまま大家さんへ転送し、
「この金額で工事しますか?」
と確認するだけでは、管理会社として十分とは言えないと思います。
修理で対応できないのか。
本当に交換が必要なのか。
施工方法を変えられないのか。
他の業者で対応できないのか。
費用を抑えられる方法がないか考えることも、管理会社の仕事だと思います。
特に金額が大きい工事については、必要に応じて相見積りを取ったり、工事内容そのものを精査したりすることも必要です。
もちろん、安ければ良いというものでもありません。
安い工事を選んだ結果、品質が悪く再工事となれば、かえって高くなってしまいます。
重要なのは、必要な品質を確保しながら、大家さんの負担をできるだけ抑える努力をしているかということです。
また、修繕だけではありません。
付帯サービス、更新時の費用、広告料、設備などについても、本当にその物件に必要なのかを考える必要があります。
管理会社側からすれば、全ての管理物件を同じ条件にした方が効率的です。
しかし、物件によって築年数、家賃帯、入居者層、地域性は全く違います。
「当社では全物件こうしています」
という管理会社側の都合ではなく、
その物件にとって何が一番良いのか
を考えてくれる会社かどうかを見る必要があると思います。
最後は、管理会社から普段どの程度提案があるかです。
賃貸管理では、
設備が壊れたから修理する。
入居者から苦情があったから対応する。
退去したから募集する。
というように、問題が発生してから行う仕事も多くあります。
しかし、それだけでは「管理」というより、事後対応に近いと思います。
設備が古くなってきたので、今後の交換時期を考えておく。
現在は満室でも、次に退去が出た場合の募集条件を考えておく。
建物を確認し、将来的に修繕が必要になりそうな箇所を把握しておく。
契約内容や現在の運用に問題がないか確認する。
問題が起きる前にできることも沢山あります。
何年も管理を任せているのに、管理会社から提案らしい提案がなく、何か問題が起きた時だけ連絡が来る。
毎月決められた業務をただ淡々と処理している。
そのような状態であれば、一度管理内容を見直してみても良いと思います。
賃貸管理は、問題が起きた時だけ対応する仕事ではなく、将来起こりそうな問題を予測し、先回りして対応する仕事でもあると考えています。
賃貸管理について話をしていると、
「大家さんが得をすれば管理会社が損をする」
「管理会社が利益を取れば大家さんが損をする」
といった、どちらが勝つかという議論を耳にすることがあります。
私は、この考え方自体がおかしいと思っています。
大家さんと管理会社は、食うか食われるかという関係ではありません。
大家さんの物件が満室になり、収益が安定し、無駄な支出が減って長期的に良い賃貸経営ができれば、管理会社も継続して管理を任せていただくことができます。
反対に、管理会社が目先の利益を優先し、大家さんの負担ばかり増やした結果、物件の収益性が悪化すれば、長い目で見れば管理会社にとっても良いことではありません。
大家さんの利益が増えることが、結果として管理会社の利益にもつながる。
本来は、このような関係であるべきだと当社では考えています。
管理会社を比較するとき、管理料が3%なのか5%なのかといった「管理報酬」に目が向きがちです。
もちろん、管理料も経費ですので重要です。
しかし、本来比較するべきなのは管理料の料率だけではなく、その管理料を支払うことで何が変わったのかではないでしょうか。
空室期間が短くなった。
賃料が適正化された。
駐車場などの未利用部分から新しい収入が生まれた。
無駄な費用が削減された。
不要な修繕を避けることができた。
こうしたことまで含めて考える必要があります。
当社では現在、管理開始後2年目以降となる物件については、管理開始後に増加した収益から、結果として当社への管理報酬を賄えている状態となっています。
もちろん、全ての物件で同じ結果をお約束できるものではありません。
しかし、管理会社の役割は単に家賃から管理料を頂くことではなく、管理を任せていただくことで、支払っていただく管理報酬以上の価値を生み出せるかどうかだと考えています。
ここまで7つのポイントをご紹介しましたが、一つ当てはまったからといって、すぐに管理会社を変更する必要があるとは思いません。
担当者とのコミュニケーション不足であれば、話し合うことで改善する場合もあります。
また、大手管理会社にも小規模な管理会社にも、それぞれ長所と短所があります。
会社の規模だけで良し悪しを判断するものでもありません。
まず現在感じている不満や疑問を管理会社へ伝え、どのような回答や改善策が出てくるのかを見ることが大切です。
そのうえで、
何度伝えても改善されない。
担当者によって対応品質が大きく変わる。
質問しても明確な回答がない。
空室が続いても具体的な提案がない。
判断を全て大家さんへ丸投げされる。
トラブル時に責任回避が優先される。
修繕費を抑える努力が感じられない。
物件の状況を把握しているように感じられない。
このような状態が続くのであれば、他の管理会社へ相談してみるのも一つの方法だと思います。
管理会社を変更すること自体が目的ではありません。
最も重要なのは、所有している物件を長期的に安定して経営していくことです。
管理会社の規模が大きいか小さいか、管理料が高いか安いかだけではなく、
物件をどこまで把握しているのか。
空室に対してどのように考えているのか。
修繕費を抑える努力をしているのか。
トラブル時にどのような姿勢で対応するのか。
必要な時に専門家として判断を示してくれるのか。
担当者が変わっても一定の管理品質を維持できるのか。
管理を任せることで収益面を含めどのような価値が生まれているのか。
こうした部分を見ることが重要だと思います。
賃貸管理は、毎月何か大きな出来事が起こる仕事ではありません。
そのため、何年も同じ管理会社へ任せているうちに、「これが普通」と思ってしまうこともあります。
しかし、管理会社の仕事は、決められた業務をただ処理することではありません。
物件の状況を把握し、問題を予測し、必要な判断材料を提示し、無駄な支出を抑え、収益を含めた賃貸経営全体をより良い方向へ持っていくこと。
そこまで含めて初めて「管理」だと当社では考えています。
大家さんと管理会社は、どちらか一方が勝てば、もう一方が負けるという関係ではありません。
大家さんの賃貸経営が良くなることが、結果として管理会社の成長にもつながる。
そのような関係を築ける管理会社かどうかも、管理会社を見直す際の大切な判断基準ではないでしょうか。
今の管理会社に大きな不満がなくても、一度現在の管理内容を整理してみることで、改善できることが見付かるかもしれません。
管理会社を変更するかどうかではなく、「現在の管理が、自分の物件にとって本当に適切なのか」という視点で、定期的に見直してみることが大切だと考えています。