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相続や転勤、住み替えなどをきっかけに、自宅から離れた場所にアパートやマンションを所有しているオーナー様も少なくありません。
物件が近くにあれば、気になった時に現地を確認することもできます。
しかし、県外や遠方に所有している場合、
「建物が今どうなっているのか分からない」
「管理会社から連絡が来ないと状況が分からない」
「本当に必要な修繕なのか判断できない」
「空室募集がきちんと行われているのか分からない」
といった不安が生じやすくなります。
遠方に物件を所有する場合、管理会社は単なる家賃集金の代行業者ではありません。
オーナー様の代わりに現地を見て、状況を把握し、判断材料と対策を提供する存在になります。
そのため、近くの物件以上に管理会社選びが重要になります。
今回は、遠方に賃貸物件を所有するオーナー様が、管理会社を選ぶ際に確認しておきたいポイントについて解説します。
遠方管理で最も重要だと考えているのが、管理会社が実際に物件の状態を把握しているかどうかです。
管理会社によっては、入居者から連絡が来た時だけ現地へ行き、特に問題がなければ物件を確認しないケースもあります。
しかし、建物には入居者から連絡がなくても様々な変化が起こります。
例えば、
・共用灯が切れている
・雑草が伸びている
・ゴミ置場が乱れている
・放置自転車が増えている
・駐車場の使われ方が変わっている
・外壁や天井などに劣化が見られる
・掲示物が古いままになっている
といった状態です。
オーナー様が近くに住んでいれば、ご自身で気付くこともできます。
しかし遠方物件の場合、それを確認するのは管理会社の役割になります。
管理会社を選ぶ際には、
「どのくらい現地を確認しているのか」
だけでなく、
「現地で何を確認しているのか」
まで聞いてみることをお勧めします。
遠方のオーナー様にとって、管理会社からの報告は非常に重要です。
ただし、「毎月報告書を送ります」というだけでは十分とは限りません。
重要なのは、その内容です。
例えば、
・現在の入居状況
・空室の募集状況
・問い合わせや内覧の状況
・建物の状態
・清掃状況
・発生したトラブル
・修繕の進捗
・今後考えておくべき問題
などが適切に共有されているかを確認したいところです。
写真を付けて報告してもらえるかどうかも、遠方のオーナー様にとっては大きなポイントです。
文章で「問題ありません」と書かれているだけでは、実際の状況はなかなか分かりません。
写真があれば、建物の状態や工事の進捗も把握しやすくなります。
ただし、当社では「報告すること」だけで終わらせないようにしています。
何か問題があれば、
「現在このような状態です」
という報告に加えて、
「このような対策が考えられます」
「当社としてはこちらの方法が良いと考えています」
というところまで、できるだけ一度の報告の中でお伝えするようにしています。
単に問題を知らせるだけでは、結局オーナー様から、
「それで、どうしたら良いですか?」
という確認が必要になります。
特に遠方のオーナー様にとって、何度もメールや電話を往復することは負担になります。
そのため、
報告+対策案+管理会社としての見解
まで一度にお伝えし、可能な限り一回のやり取りで方向性を決められるようにすることが大切だと考えています。
報告の頻度だけでなく、
「その報告だけで次の判断までできる内容になっているか」
も確認していただきたいポイントです。
遠方にいると、空室募集が実際にどの程度行われているのかも確認しにくくなります。
「募集しています」と管理会社から言われても、
・どのサイトに掲載されているのか
・写真は適切なのか
・間取り図は正しいのか
・競合物件と比較して条件は適切なのか
・仲介会社へ情報が伝わっているのか
まで把握しているオーナー様は多くないと思います。
地域によっては、仲介会社が管理会社の物件を積極的にインターネットへ掲載しないこともあります。
そのような地域では、管理会社自身が物件を掲載し、反響を取るくらいの姿勢も必要です。
特に遠方のオーナー様の場合、
「空室だから家賃を下げましょう」
という提案だけではなく、
家賃を下げる前に、募集方法そのものに問題がないかを確認してくれる会社
を選ぶことが重要だと思います。
遠方に物件を所有している場合、その地域の賃貸相場をオーナー様自身が細かく把握することは難しいと思います。
そのため、管理会社の賃料査定に頼る部分が大きくなります。
だからこそ、
「周辺相場はこのくらいです」
という説明だけではなく、
・競合物件
・成約事例
・築年数
・設備
・間取り
・立地
・募集時期
・現在の市場の動き
などをどの程度確認して査定しているのかを見る必要があります。
安易に家賃を下げれば、空室は埋まりやすくなるかもしれません。
しかし、一度下げた賃料は入居期間中ずっと収益へ影響します。
遠方だからこそ、オーナー様自身で相場を確認できないことを前提に、査定根拠をきちんと説明してくれる管理会社を選ぶことが重要です。
遠方管理で特に不安を感じやすいのが修繕です。
現地を見ることができない以上、
「本当に壊れているのか」
「本当に交換が必要なのか」
「この金額は妥当なのか」
をオーナー様自身が判断することは簡単ではありません。
そのため管理会社には、
・現状
・不具合の原因
・修繕方法
・見積金額
・代替案
・緊急性
などを整理して説明することが求められます。
当社でも、必要に応じて写真だけでなく動画を撮影し、現地の状況ができるだけ分かるように説明しています。
例えば、異音や設備の動作不良などは、写真だけでは伝わりにくいことがあります。
そのような場合には動画を使うことで、遠方のオーナー様にも状況を把握していただきやすくなります。
また、業者から見積書が提出されたからといって、その金額をそのままオーナー様へ転送するわけではありません。
当社でも、
「この工事内容で良いのか」
「この金額は妥当なのか」
「別の方法はないのか」
を確認しています。
必要に応じて業者へ内容を確認したり、金額を調整したり、相見積もりを取ったりした上でオーナー様へご提案しています。
そのため、当社からオーナー様へ修繕見積りをご提示する段階では、ある程度内容と金額を精査した後になります。
実際、当社の場合、オーナー様から修繕見積りについて細かな値引き交渉が入ることはほとんどありません。
最終的には、
「この内容、この金額で実施するか、しないか」
というYes・Noをご判断いただくことが多くなっています。
これは、オーナー様に何も考えず承認していただきたいという意味ではありません。
むしろその逆で、
管理会社の段階で必要性と価格を確認し、オーナー様が経営判断に集中できる状態まで整理してから提案する
ことが重要だと考えています。
特に遠方物件の場合、現地を見ることができないオーナー様へ専門業者の見積書だけを送り、
「どうしますか?」
と判断を丸投げするべきではないと思います。
漏水、断水、停電、エレベーター停止、火災設備の異常など、賃貸物件では突発的なトラブルが発生します。
遠方のオーナー様の場合、
「今から現地へ行きます」
という対応は現実的ではありません。
そのため、
・営業時間外の連絡体制
・緊急時の一次対応
・専門業者との連携
・オーナー様への連絡基準
などを確認しておくことが重要です。
特に大切なのは、
何でもすぐオーナー様へ電話する会社
でも、
全く報告しない会社
でもありません。
緊急性の高いものは先に対応し、その後速やかに報告する。
費用が大きくなる場合には、状況と選択肢を整理して判断を仰ぐ。
こうした判断基準がある会社の方が、遠方のオーナー様にとって任せやすいと思います。
遠方に物件を所有する場合、オーナー様自身で修理業者や清掃会社を探すことは簡単ではありません。
管理会社が、
・水道業者
・電気業者
・内装業者
・清掃会社
・消防設備業者
・エレベーター会社
・外壁、防水業者
などと適切に連携できるかも重要です。
ただし、自社で工事部門を持っているから安心という意味ではありません。
重要なのは、
必要な工事を適切な専門業者へ依頼し、内容と価格を管理できること
です。
金額に疑問があれば相見積もりを取る。
対応が悪ければ業者を変更する。
必要以上の工事はしない。
一方で、必要な修繕を単に先送りしない。
こうした判断ができる管理会社であれば、遠方からでも物件を任せやすくなります。
遠方のオーナー様ほど、管理会社がPMとBMの両方を理解しているかは重要です。
PMは、賃料、募集、稼働率、契約条件など、物件の収益面を考える役割。
BMは、清掃、点検、修繕など、建物を維持する役割です。
どちらか一方だけでは十分ではありません。
例えば、建物を非常にきれいに維持していても、空室が多ければ賃貸経営としては問題があります。
反対に、満室だからといって必要な修繕を全く行わなければ、長期的には建物の価値が低下します。
PM・BMを理解して管理されている物件は、数年間見ていると徐々に変わってくることがあります。
入居者層が変わる。
共用部分が整ってくる。
必要な修繕が行われる。
防犯カメラなど必要な設備が追加される。
契約や駐車場などの運用ルールが整理される。
これは、適切な管理によって収益が改善し、その収益をオーナー様が物件へ再投資できるようになった結果でもあると思います。
遠方物件だからこそ、
今の問題を処理してくれる会社なのか、それとも数年後の物件まで考えてくれる会社なのか
という視点で見ていただきたいと思います。
退去時には、原状回復工事が発生します。
オーナー様が遠方の場合、室内を直接確認できないことも多いため、管理会社からの説明がより重要になります。
どこが傷んでいるのか。
何を交換するのか。
何はそのまま使用できるのか。
どこまで工事をすれば次の募集に十分なのか。
写真と見積書だけでなく、こうした判断理由まで説明してもらえるかを確認したいところです。
また、原状回復費については、単純に「入居者からいくら回収できたか」だけで考えるべきではありません。
オーナー様の負担が発生したとしても、その入居期間中に適正な賃料を得られ、トータルの収益が上がっているのであれば、経営全体としては合理的な場合があります。
退去時の数万円だけではなく、
その入居者から契約期間全体でどれだけ収益を得られたのか
まで含めて判断することが重要です。
遠方のオーナー様にとって特に困るのが、
「見積りが出ました。どうしますか?」
という連絡だけが来ることです。
現地を見ていないオーナー様に判断を求めても、判断材料がありません。
管理会社には、
「現状はこうなっています」
「このままにした場合はこうなります」
「対応方法はこのようになります」
「費用はこの程度です」
「当社としてはこちらをお勧めします」
というところまで整理することが求められます。
これは修繕だけではありません。
空室募集でも、トラブルでも、建物管理でも同じです。
当社では、できる限り
「報告だけ」ではなく「報告+対策案」
という形でお伝えするようにしています。
問題だけをオーナー様へ渡して、
「後は判断してください」
とするのではなく、管理会社として一度考えた上で方向性を提案する。
そうすることで、オーナー様とのやり取りも短くなり、意思決定も早くなります。
特に遠方のオーナー様の場合、こうした判断材料を整理する力は管理会社選びの重要なポイントだと思います。
もちろん、最終判断をするのはオーナー様です。
しかし、専門的な情報を整理し、判断しやすい状態をつくることは管理会社の仕事だと当社では考えています。
遠方だからといって、何でも管理会社へ預ければ良いとは限りません。
例えば入居者様の部屋の鍵について、管理会社が全て合鍵を保管する運用もあります。
一方で、鍵を預かること自体に紛失や不正使用などのリスクが生じます。
当社では、こうしたトラブル防止の観点から、原則として入居者様の部屋の鍵はお預かりしない運用としています。
管理会社によって考え方は異なりますので、
・どの鍵を預かるのか
・どのように保管するのか
・誰がアクセスできるのか
・契約書等の原本を預ける必要があるのか
なども確認しておくと良いと思います。
「全部預かってくれる=手厚い管理」とは限りません。
リスクを考えて、あえて預からないという考え方もあります。
遠方物件では、管理会社とのコミュニケーションが物件経営の大部分を占めます。
そのため、
・電話
・メール
・LINE等
・オンライン面談
など、自分に合った方法で連絡できるかも確認しておきたいところです。
ただし、単純に「すぐ返信が来るか」だけではありません。
重要なのは、質問に対して適切な回答が返ってくることです。
「確認します」と言われたまま連絡がない。
担当者によって言っていることが違う。
同じ説明を何度もしなければならない。
こうした状態では、遠方管理の負担は大きくなります。
理想的なのは、一度の連絡で、
「何が起きているのか」
「何をする必要があるのか」
「費用はいくらなのか」
「いつまでに判断すべきなのか」
まで分かる状態です。
オーナー様が現地へ行かなくても状況を把握し、判断できるように情報を整理してくれる会社が望ましいと思います。
遠方に物件を所有していると、管理会社を比較する際にも、管理費の料率は気になると思います。
もちろん、同じサービスなら安い方が良いことは間違いありません。
しかし遠方管理では、
・現地確認
・空室募集
・修繕判断
・業者手配
・トラブル対応
・オーナー様への報告と提案
といった業務を管理会社へ依存する割合が高くなります。
年間数万円の管理費を節約できても、空室が長くなったり、本来より安い賃料で成約したり、必要以上の修繕費が発生したりすれば、その差は簡単に逆転します。
遠方物件ほど、
管理費がいくら安いかではなく、最終的にどれだけ利益を残してくれるか
という視点が重要です。
遠方に物件を所有する場合、管理会社選びで重要なのは、単に有名な会社か、管理戸数が多いか、管理費が安いかではありません。
オーナー様が現地へ行けない代わりに、
現地を確認する。
異常に気付く。
必要に応じて写真や動画で状況を伝える。
必要な業者を動かす。
工事内容と金額が妥当か確認する。
募集状況を確認する。
報告だけでなく対策も提案する。
選択肢を整理し、経営判断を支える。
こうした仕事をきちんとしてくれるかどうかです。
言い換えれば、遠方のオーナー様にとって管理会社は、現地にある自分の目と耳であり、同時に判断材料を整理してくれる存在になります。
そして良い管理会社であれば、単に現在の状態を維持するだけではなく、PMとBMの両面から一つずつ問題を整理し、収益を改善し、その収益を再投資につなげながら、物件を徐々に良い状態へ持っていくこともできます。
そのため、管理会社を選ぶ際には、
「今、何をしてくれるか」だけではなく、「この会社へ5年任せた時、物件がどうなっているか」
という視点を持っていただきたいと思います。
当社では、必要なことを、必要なだけ行い、オーナー様が遠方にいらっしゃっても物件の状況が分かり、判断しやすい管理を心掛けています。
距離が離れているからこそ、現地の状況を正確に把握し、必要に応じて写真や動画も使いながら説明する。
修繕であれば、内容と価格を当社でも確認した上でご提案する。
問題があれば報告だけで終わらず、対策の方向性まで一緒にお伝えする。
そして、単なる作業代行ではなく、オーナー様に代わって現地を確認しながら、長期的な賃貸経営を支える。
それが、遠方物件を管理する会社に求められる役割だと考えています。