賃貸管理ならaies地所へ

phone

052-990-2391

受付 9:00~19:00 

お問い合わせ

大家さんと管理会社は利益相反する関係なのか?

2026/10/21

賃貸管理について考えていると、

「大家さんと管理会社は、本当に同じ方向を向いているのか」

という疑問が出てくることがあります。

大家さんが求めているのは、基本的には物件収益の最大化です。

家賃収入を安定させたい。

空室を減らしたい。

余計な修繕費を抑えたい。

建物を長く維持したい。

最終的な手残りを増やしたい。

一方、管理会社にも当然ながら自社の売上や利益があります。

管理料。

仲介手数料。

更新事務。

修繕工事。

原状回復。

各種サービス。

など、会社によって収益構造は異なります。

そのため、

大家さんの利益と管理会社の利益が、常に完全に一致するとは限りません。

これは事実だと思います。

しかし、

「だから管理会社とは利益相反の関係だ」

と単純に考えるのも違うと思います。

当社では、

大家さんの収益が改善し、その結果として管理会社も継続的に報酬をいただける関係が、本来あるべき賃貸管理の形

だと考えています。

ただし、この関係を作るには管理会社側だけでなく、

オーナー様側にも、管理会社を経営上のパートナーとして扱う意識

が必要です。

今回は、大家さんと管理会社の利益はどこで一致し、どこでズレる可能性があるのかを考えてみたいと思います。

1.そもそも「利益相反」とは何か

利益相反という言葉は少し強く聞こえます。

簡単に言えば、

一方にとって得になることが、もう一方にとって必ずしも得にならない状態

です。

例えば、

大家さんは修繕費を抑えたい。

管理会社は修繕工事から利益を得る。

という構造であれば、利害がズレる可能性があります。

あるいは、

大家さんは少しでも高い家賃で成約したい。

管理会社は早く成約させたい。

という場面でも、短期的には判断が分かれることがあります。

しかし重要なのは、

利害がズレる可能性があること自体より、その構造を理解した上でどう運営するか

だと思います。

2.管理料だけを見ると、実は利益はかなり一致している

一般的な管理委託では、管理会社は家賃の一定割合を管理料として受け取ります。

この場合、

家賃が上がれば管理料も上がる。

空室が減れば管理料も増える。

管理戸数が安定すれば管理収入も安定する。

という構造になります。

つまり、

賃料と稼働率が上がることについては、大家さんと管理会社の利益は基本的に同じ方向を向きやすい

と言えます。

例えば月額家賃が5,000円上がれば、

大家さんにとっては年間60,000円の収入増です。

5年間続けば300,000円です。

管理会社も管理料が家賃連動であれば多少収入が増えます。

このような関係であれば、

管理会社が賃料改善や空室対策に力を入れることは、双方にメリットがあります。

3.問題は「管理料以外でどこから利益を得ているか」

一方で、管理会社の収益が管理料だけとは限りません。

むしろ会社によっては、

修繕工事。

原状回復工事。

設備交換。

保険関連。

付帯サービス。

などの比重が大きいことがあります。

ここで重要なのは、

管理会社がどこで利益を得ていること自体が悪いのではない

ということです。

企業である以上、利益を出さなければ事業を継続できません。

問題になるのは、

その収益構造によって、

「本来必要のない工事まで増やした方が管理会社の利益になる」

という状態になっていないかです。

ここはオーナー様も確認した方が良い部分だと思います。

4.工事をたくさんする管理会社ほど良い管理会社とは限らない

例えば設備が古くなってきた時、

「古いので全部交換しましょう」

という提案は分かりやすいです。

交換すれば故障リスクは減ります。

しかし、

まだ使用できる。

修理で十分対応できる。

次回退去時に交換した方が効率的。

という場合もあります。

大家さんにとって重要なのは、

工事件数ではなく、その工事によって最終的な収益がどう変わるか

です。

一方で管理会社側が工事売上を重視し過ぎれば、

交換する。

リフォームする。

設備を追加する。

という提案が増える可能性があります。

ここに利益のズレが生まれる余地があります。

5.だからといって「工事をしない管理会社」が良いわけでもない

反対に、

修繕費を抑えることだけが良い管理でもありません。

本来直すべきところを直さない。

設備更新を先送りする。

共用部を荒れたままにする。

必要な修繕まで削る。

そうすれば短期的な支出は減ります。

しかし、

空室が増える。

家賃が下がる。

入居期間が短くなる。

後から大きな修繕費が発生する。

という可能性があります。

つまり、

修繕費を使うか使わないかではなく、必要な修繕を適切な内容・価格・タイミングで行うこと

が重要です。

6.「安い管理料」が必ずしも大家さんの利益になるとは限らない

管理会社を比較する時、

管理料3%。

管理料5%。

管理料0円。

など、管理報酬は非常に分かりやすい比較項目です。

例えば家賃収入が月100万円で、

管理料5%なら月5万円。

3%なら月3万円。

差額は月2万円、年間24万円です。

当然、安い方が魅力的に見えます。

しかし仮に、

管理料を年間24万円安くできても、

空室期間が長くなり年間30万円の家賃を失った。

募集賃料が月5,000円低くなり、5年間で30万円の収入差が出た。

不要な工事で40万円多く支払った。

のであれば、管理料の差は簡単に消えてしまいます。

賃貸経営では、

一つの費用ではなく、最後にいくら残るかを見る必要があります。

7.管理料0円なら「どこで利益を得ているのか」を見る

管理料0円というサービスもあります。

これ自体を否定するつもりはありません。

オーナー様から見れば管理費が掛からないのは大きなメリットです。

ただ、会社が事業として運営している以上、

どこかで収益を上げる必要があります。

例えば、

工事。

仲介。

保証。

保険。

付帯サービス。

その他の手数料。

などです。

そのため、

「管理料が0円だから得」だけではなく、「その会社はどの部分で利益を得ているのか」まで見る

ことが重要です。

収益構造が分かれば、その会社が何を重視しやすいのかも見えてきます。

8.空室対策でも利益がズレる可能性がある

例えば空室がなかなか決まらない時、

最も簡単な方法の一つは家賃を下げることです。

家賃を5,000円下げる。

条件を緩和する。

広告料を増やす。

これによって早く成約する可能性は高まります。

管理会社側から見れば、

空室を長く抱えるより、早く契約して管理料を得られる方が良い

という考え方になることもあります。

しかし大家さんからすると、

その5,000円の家賃差は契約期間中ずっと続きます。

月5,000円なら年間60,000円。

5年間なら300,000円です。

だからこそ当社では、

成約条件にはこだわってほしい

と考えています。

早く決めることと、

良い条件で決めることは、

必ずしも同じではありません。

9.「満室にした」だけで管理会社を評価しない

満室率は重要な指標です。

しかし、

満室だから必ずしも収益最大化できているとは限りません。

市場家賃より安く貸している。

フリーレントを長く付けている。

広告料を大きく出している。

不要な設備投資を行っている。

という場合でも満室にはできます。

大家さんにとって重要なのは、

どの条件で満室になったか

です。

賃料。

初期費用。

募集費用。

原状回復費。

入居期間。

修繕費。

まで含めて見る必要があります。

10.管理会社側にも「早く処理したい」という事情はある

賃貸管理は多くの案件を同時に処理します。

そのため、

早く回答が欲しい。

早く修理したい。

早く募集条件を決めたい。

という場面があります。

例えば修繕で、

A社ならすぐ工事可能で20万円。

B社なら見積りに少し時間が掛かるが15万円。

という場合。

管理会社側からすればA社の方が処理は簡単です。

しかしオーナー様にとっては5万円の差があります。

もちろん緊急性によっては、価格より速度を優先すべきこともあります。

重要なのは、

管理会社の業務効率とオーナー様の利益を混同しないこと

です。

11.大家さんへ判断を丸投げするのも利益一致とは言えない

一方で、

「当社は何も決めません。全てオーナー様に判断していただきます」

という管理も、必ずしもオーナー様のためとは限りません。

例えば、

エアコンが故障しました。

修理しますか。

交換しますか。

というだけでは判断しにくいと思います。

使用年数。

修理費。

交換費。

部品供給。

再故障リスク。

入居者様への影響。

まで整理し、

「今回は交換を推奨します」

と管理会社として見解を示す。

それが管理会社の役割です。

オーナー様の利益を考えるとは、何も判断しないことではありません。

12.管理会社には「自社が儲からない提案」も必要になる

本当にオーナー様の利益を優先するのであれば、

管理会社自身にとって売上にならない提案をする場面も出てきます。

例えば、

今回は交換せず修理で十分です。

このリフォームは必要ありません。

この設備追加は家賃上昇分で回収できないと思います。

この業者より別の業者の方が安いです。

今は工事せず次回退去時で良いと思います。

という判断です。

短期的には管理会社の売上が減るかもしれません。

しかし、

オーナー様から「この会社は無駄な支出を増やさない」と信頼していただければ、長期的な管理継続につながります。

当社では、こちらの方が健全な関係だと考えています。

13.管理会社の利益は「工事」より「物件収益の改善」に連動した方が良い

理想を言えば、

大家さんの利益と管理会社の利益が、

できる限り同じ方向を向く仕組み

が望ましいと思います。

例えば、

家賃を上げる。

空室期間を短くする。

適正な条件で成約する。

長期入居につなげる。

不要な固定費を削減する。

適正価格で修繕する。

という管理を行えば、

オーナー様の収益が改善します。

物件経営が安定すれば、

管理会社も長く管理を任せていただけます。

これが、

短期的な工事売上よりも、長期的な管理収入を重視する関係

です。

14.管理会社が工事部門を持っていること自体は悪くない

工事部門を持つ管理会社にはメリットもあります。

連絡が早い。

施工まで一貫している。

緊急対応しやすい。

品質管理しやすい。

といった利点があります。

一方で、

自社の工事部門を動かす必要がある。

人員や設備の固定費が掛かる。

という事情もあります。

そのため、

自社施工だから必ず安いとも、高いとも言えません。

大切なのは、

その工事が必要か。

価格が妥当か。

工事内容が適切か。

を確認できることです。

15.外注だから「何もしていない」でもない

逆に、

工事を外部業者へ依頼する管理会社について、

「自社で工事しないなら何もしていない」

と考える必要もありません。

管理会社の役割は、

自ら工具を持って修理することではありません。

適切な専門業者を選ぶ。

見積り内容を確認する。

価格を比較する。

工事範囲を調整する。

施工後を確認する。

ということも重要な管理業務です。

当社では、

管理会社が工事をすることより、オーナー様にとって合理的な工事になるよう管理すること

の方が重要だと考えています。

16.仲介手数料でも短期と長期の利益は違う

賃貸仲介についても同じです。

管理会社が仲介も行う場合、

契約が成立すれば仲介収入が発生します。

そのため、

早く契約を決めたい

という動機が生まれる可能性があります。

しかし管理物件であれば、

一度の仲介収入より、

適正な賃料で長く入居していただき、

安定した賃貸経営を続ける方が長期的には重要です。

ここでも、

目の前の売上と長期的な管理収益のどちらを見るか

で判断が変わります。

17.入居者様への対応でも利益のバランスがある

例えば入居者様から、

設備を新しくしてほしい。

家賃を下げてほしい。

特別な対応をしてほしい。

という要望があったとします。

全て受ければ入居者様の満足度は上がるかもしれません。

しかしオーナー様の負担は増えます。

反対に、

全て断れば支出は減りますが、

退去や不満につながるかもしれません。

管理会社は、

入居者様の満足とオーナー様の利益の間でバランスを取る役割

でもあります。

18.「入居者第一」だけでも「大家さん第一」だけでも難しい

賃貸管理では、

大家さん。

入居者様。

管理会社。

それぞれの立場があります。

オーナー様の利益だけを考えて、

必要な修繕をしない。

入居者様の相談を聞かない。

という運営では、長期的には物件価値が下がります。

逆に、

入居者様の希望を全て受け入れ、

その費用をオーナー様へ請求する。

という管理も持続しません。

結局、

オーナー様の利益を守るためにも、入居者様が安心して長く住める状態を作る必要がある

ということです。

19.利益相反は「管理会社側」だけの問題ではない

ここまで読むと、

利益相反は管理会社の収益構造によって起きるもの

という印象を持たれるかもしれません。

しかし当社では、

オーナー様側の考え方によっても、管理会社との関係は大きく変わる

と考えています。

管理会社はオーナー様から報酬をいただく立場です。

しかし、

だからといって、

何をされても受け入れる下請業者

という関係ではありません。

お互いに事業者です。

問題が起きた時に、

事実関係を確認する。

自分側に責任があれば誠実に対応する。

相手側に損害や迷惑を掛けたのであれば是正する。

という姿勢が双方に必要です。

20.オーナー様側の姿勢で信頼関係が崩れることもある

以前、当社でも実際にこのことを強く感じた出来事がありました。

ある管理物件で、オーナー様が直接手配した業者が作業に入りました。

その際、

当社の看板の上へ資材や工具を置く。

さらに最終的には、その看板が処分されてしまう。

ということがありました。

当社が手配した業者ではありません。

オーナー様自身が手配した業者によって起きた出来事です。

当然、当社としては、

オーナー様にも事情を確認していただき、手配した業者との間に入って誠意ある対応をしていただけるものと思っていました。

ところが、その際に返ってきたのは、

「やりあうなら、どうぞご自由に」

という趣旨の言葉でした。

当社としては、この一言で、

今後も同じ方向を向いて管理を続けていくことは難しい

と判断しました。

看板そのものの金額が問題だったわけではありません。

問題だったのは、

自分が手配した業者によって相手方へ問題が生じても、「自分には関係がない」という距離を取られたように受け止めざるを得なかったこと

です。

賃貸管理は、オーナー様と管理会社の信頼関係が前提です。

その信頼がなくなれば、

どれだけ管理料や条件を調整しても、長期的に良い管理は難しくなります。

当社はその後、管理契約の解約を申し入れました。

21.金額の問題より「同じ方向を向けるか」が重要

この事例で感じたのは、

利益相反というものは、

「管理会社が工事で儲けようとしている」

というような金銭面だけで起きるわけではないということです。

問題が起きた時に、

自分には関係ない。

管理会社と業者で勝手に解決してほしい。

という姿勢になれば、

管理会社からすると、

オーナー様の利益を守るために動く一方で、自社の利益や権利は守ってもらえない

という関係になります。

これでは長続きしません。

管理会社にも、

社員。

取引業者。

ブランド。

時間。

信用。

があります。

管理会社の利益を不当に損なっても構わないという前提では、

「オーナー様の利益 ≒ 管理会社の利益」

という関係は成立しません。

22.後になって認識が食い違うこともある

そのオーナー様とは、その後しばらく接点がありませんでした。

ところが、後日ある交流会で偶然お会いしました。

会の最後に声を掛けてこられ、

「昔のことはこちらも気に掛けていないから」

という趣旨の話をされました。

当社としては、

原因となった出来事についてこちらから一方的に問題を起こしたという認識ではありません。

そのため、

この発言を聞いた時には、

当時の出来事に対する双方の認識はかなり違っていたのだろう

と改めて感じました。

このようなケースでは、

「どちらが正しいか」

をいつまでも争っても意味はありません。

ただ、

お互いの認識がそこまで違うのであれば、

やはり長期的な管理パートナーとして関係を続けることは難しかった

ということだと思います。

23.オーナー様も「管理会社の利益」を尊重する必要がある

管理会社に、

無駄な工事をしないでほしい。

安く修繕してほしい。

高い家賃で決めてほしい。

早く対応してほしい。

という要望を持つのは当然です。

しかし同時に、

管理会社の時間。

業務。

信用。

取引先。

所有物。

にも価値があります。

オーナー様の利益だけが守られ、

管理会社側の損失は、

「管理会社なのだから仕方ない」

となれば、健全な関係ではありません。

利益を一致させるためには、双方が相手の利益も尊重する必要があります。

これは非常に重要な点だと思います。

24.「お金を払っている側が上」では良い管理はできない

賃貸管理委託では、

オーナー様が管理会社へ管理料を支払います。

そのため、

「発注者と受注者」

という関係ではあります。

しかし、

お金を払っている側が何をしても良い

という関係ではありません。

管理会社も専門家として、

これは必要です。

これはやめた方が良いです。

この条件では難しいです。

この業者の施工では問題があります。

という意見を伝える必要があります。

そしてオーナー様にも、

その意見を聞いた上で判断していただく必要があります。

良い管理関係は上下関係ではなく、役割の違う事業者同士の協力関係

だと当社では考えています。

25.短期的には利益が相反しても、長期では一致することがある

例えば、

共用部の清掃費を年間10万円削減したとします。

短期的にはオーナー様の利益が10万円増えます。

しかし清掃状態が悪化し、

内見時の印象が悪くなり、

空室が1か月長引けば、その削減額以上の家賃を失うことがあります。

一方で、

少し費用を掛けても、

共用部を整える。

必要な修繕をする。

募集条件を適切に整える。

ことで、長期的な収益が改善する場合があります。

だからこそ、

単年度の支出ではなく、数年間の収益を見ること

が大切です。

26.オーナー様と管理会社の時間軸を合わせる

利益がズレる原因の一つに、

「時間軸の違い」

があります。

管理会社が、

今月の売上。

今期の工事件数。

目先の成約。

だけを見る。

オーナー様が、

5年後。

10年後。

売却時。

まで考える。

この状態では判断がズレます。

逆に管理会社も、

長期的な稼働率。

賃料推移。

建物状態。

修繕計画。

オーナー様の資産形成。

まで見るようになれば、利益は一致しやすくなります。

同様にオーナー様側も、

目先の管理料。

一回の修繕費。

一つのトラブル。

だけでなく、

長期的に管理会社とどのような関係を築くか

を見ることが重要です。

27.管理会社変更を繰り返さないことも管理会社側の利益になる

管理会社にとって、

オーナー様に長く管理を任せていただくことは大きな利益です。

そのためには、

短期的に高い工事を受注するより、

無駄な支出を抑える。

収益を改善する。

問題が起きた時に適切に対応する。

適切な報告をする。

という積み重ねの方が重要です。

オーナー様の利益が改善すれば、

「管理会社を変える理由」が少なくなります。

つまり、

管理会社が長期的な視点を持てば、オーナー様の利益と管理会社の利益はかなり一致させることができます。

28.管理会社の報酬は「高い・安い」だけでは判断できない

例えば、

年間管理料60万円の管理会社と、

年間管理料36万円の管理会社があったとします。

差額は24万円です。

しかし60万円の会社が、

賃料を年間12万円改善。

空室損失を15万円減少。

修繕費を20万円圧縮。

できたとすれば、

管理料差を考えてもオーナー様の手残りは増えます。

もちろん実際には毎年このように単純な計算になるわけではありません。

ただ、

管理料は「費用」であると同時に、収益改善のための経営コストでもある

という見方は必要だと思います。

29.管理会社の評価は「いくら請求されたか」だけでは分からない

修繕費100万円が掛かった。

これだけを見ると高額です。

しかし、

必要な工事だったのか。

他社なら150万円だったのか。

50万円で済む工事だったのか。

工事によってどれだけ建物寿命が延びたのか。

賃料維持につながったのか。

で評価は変わります。

反対に、

修繕費0円だった。

というだけでも良い管理とは言えません。

必要な修繕をしていないだけかもしれません。

大切なのは、

金額そのものではなく、その支出によって何を得たか

です。

30.管理会社には「費用を使わない勇気」と「使うべき時に勧める責任」の両方が必要

当社では、

費用を抑えることは重要だと考えています。

しかし、

何でも安くする。

何でも断る。

ことがオーナー様の利益になるとは考えていません。

不要な工事はしない。

過剰な設備投資もしない。

一方で、

必要な修繕は先送りしない。

今やるべき工事なら、きちんと理由を説明して提案する。

この両方が必要です。

つまり管理会社には、

「使わない判断」と「使う判断」の両方が求められる

ということです。

31.オーナー様の利益は「毎月の収支」だけではない

賃貸経営の利益というと、

毎月の家賃収入-支出

をイメージします。

しかし実際には、

建物の状態。

将来の大規模修繕。

入居者属性。

契約内容。

滞納状況。

家賃水準。

売却時の収益性。

なども資産価値へ影響します。

例えば短期的な家賃収入を優先して、

契約管理が曖昧。

滞納対応が不十分。

建物管理が悪い。

という状態になれば、将来売却する時にも影響する可能性があります。

管理会社は、

今月の収入だけでなく、物件を将来どういう状態にしていくか

まで考える必要があります。

32.管理会社は「オーナー様の経営代行」という視点が必要

当社では、

賃貸管理を単なる家賃集金や入居者対応とは考えていません。

物件ごとに、

収入。

支出。

募集。

修繕。

契約。

入居者対応。

建物管理。

を見ながら、

どう運営することが最も合理的かを考える。

いわば、

オーナー様の賃貸経営の一部を代行する仕事

だと考えています。

この考え方であれば、

管理会社の売上を増やすことだけが目的にはなりません。

オーナー様の収益を改善し、

長く管理を任せていただくことの方が重要になります。

一方で、

経営代行を任せる以上、

オーナー様にも管理会社を単なる作業会社ではなく、

一緒に物件経営を行うパートナーとして扱っていただく必要があります。

33.「大家さんの利益 ≒ 管理会社の利益」が理想

完全に同じ利益になることはありません。

大家さんと管理会社は別の会社・別の立場だからです。

管理会社にも人件費があります。

システム費があります。

事務所費用があります。

当然利益も必要です。

しかし、

大家さんの利益を削って管理会社だけが儲かる。

管理会社の報酬を極端に削ってサービスを維持できなくなる。

管理会社側に損害が発生してもオーナー様が関知しない。

という関係では長続きしません。

理想は、

大家さんの利益が増えるほど、管理会社も長期的に利益を得られる関係

です。

当社では、

「オーナー様の利益 ≒ 当社の利益」

になる関係を目指すことが、管理会社として最も健全だと考えています。

34.管理会社を選ぶ時は「利益の出どころ」を見る

管理会社を比較する時には、

管理料。

会社規模。

管理戸数。

24時間対応。

などを見ると思います。

それと併せて、

この会社は、どこで利益を得ているのか

を確認してみても良いと思います。

管理料なのか。

仲介なのか。

工事なのか。

設備販売なのか。

付帯商品なのか。

そして、

その収益構造が、

オーナー様の利益と同じ方向を向きやすいのか。

ここを見ると、その管理会社の提案傾向も分かりやすくなります。

同時に管理会社側も、

このオーナー様とは、問題が起きた時にも互いに誠実に対応できるのか

を見る必要があると思います。

管理契約は一方だけが相手を選ぶものではありません。

35.最終的に見るべき数字は「オーナー様の手残り」

管理料が高い。

工事費が安い。

満室率が高い。

これらは全て重要です。

しかし、一つの数字だけで管理会社を評価すると、本質を見失うことがあります。

最終的には、

家賃収入。

空室損失。

募集費。

管理料。

修繕費。

固定費。

その他の支出。

を含め、

オーナー様の手元にいくら残っているのか

を見る必要があります。

管理会社の役割は、

一つの費用を安くすることではなく、

物件全体の収益を改善すること

だと当社では考えています。

そして、その管理を継続するためには、

管理会社側にも適正な報酬と、安心して仕事ができる関係が必要です。

大家さんと管理会社は「利益相反することもある」が、同じ方向を向くこともできる

大家さんと管理会社は別々の事業者です。

そのため、

全ての場面で利益が完全に一致することはありません。

修繕。

仲介。

募集条件。

管理料。

設備更新。

などでは、短期的に利益がズレる可能性があります。

そして利益相反は、

管理会社が自社の売上だけを優先した時だけに起きるものでもありません。

オーナー様側が、

「管理会社はお金を払っている相手だから、自分の利益だけを優先して当然」

という考え方になった時にも、

関係は簡単に崩れます。

管理会社がオーナー様の利益を守る。

オーナー様も管理会社の立場や利益を尊重する。

問題があれば双方が誠実に対応する。

この関係があって初めて、

長期的に同じ方向を向くことができます。

当社では、

管理会社が目指すべきなのは、

工事を増やすことでも、

修繕を全て削ることでも、

とにかく早く入居を決めることでもない

と考えています。

必要な修繕を適正な価格で行う。

不要な工事はしない。

成約条件にはこだわる。

適正な家賃を維持する。

空室期間を短くする。

固定費を見直す。

入居者様が長く住める環境をつくる。

契約や収納方法を整える。

そして、

オーナー様の最終的な手残りを増やす。

これが積み重なれば、

物件経営が安定します。

物件経営が安定すれば、

管理会社も長く管理を任せていただけます。

つまり長期的に見れば、

オーナー様の利益を増やすことが、管理会社自身の利益にもつながる

という関係を作ることができます。

ただし、それは一方通行ではありません。

管理会社側がどれだけオーナー様の利益を考えていても、

管理会社に損害が生じた時には関係ない。

管理会社の意見は聞かない。

問題があれば管理会社と業者で勝手に解決すれば良い。

という関係であれば、利益を一致させることはできません。

賃貸管理は契約書だけで成り立つ仕事ではありません。

最終的には、

お互いが相手の立場も考え、問題が起きた時に誠実に対応できるか

が非常に重要だと思います。

当社では、

大家さんと管理会社は、放っておけば利益が完全に一致する関係ではない。だからこそ、双方が意識して同じ方向を向ける関係を作る必要がある

と考えています。

そして最も健全なのは、

「オーナー様が儲かるから、管理会社も長く仕事を任せてもらえる。管理会社が健全に利益を出せるから、オーナー様にも継続して良い管理を提供できる」

という関係です。

どちらか一方だけが得をする関係ではなく、

双方にとって継続する理由がある関係。

それが、利益相反を乗り越えた本来の賃貸管理の姿だと思います。