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賃貸物件に空室が出ると、「家賃を下げましょう」「広告料を増やしましょう」「設備を付けましょう」といった提案が出ることがあります。
もちろん、それらも空室対策の一つです。しかし当社では、満室にするための打つ手は、本来もっと多いと考えています。
賃料、初期費用、広告料、写真、間取図、ポータルサイトへの掲載、仲介会社への働き掛け、法人需要、駐車場、設備、清掃、共用部、募集時期など、見直せる部分はいくらでもあります。
大切なのは、思いついた対策を闇雲に行うことではありません。
どこに問題があるのかを考え、必要な手を順番に打っていく。これが戦略的リーシングだと考えています。
空室が長くなると、最も分かりやすい対策は賃料を下げることです。
しかし、問い合わせがない原因が本当に家賃なのかは分かりません。写真が悪いのかもしれませんし、そもそも物件情報が十分に掲載されていない可能性もあります。駐車場が不足していることや、初期費用が原因の場合もあります。
月3,000円家賃を下げれば、年間36,000円、5年間なら180,000円の収入差になります。
だからこそ当社では、値下げは数ある手段の一つであって、最初から答えにしてはいけないと考えています。
逆に、周辺物件が少なかったり、従来の募集賃料が安すぎたりする場合には、賃料を上げても成約できることがあります。
戦略的リーシングで重要なのは、単に「決まらない」と考えないことです。
問い合わせ自体がないのか。問い合わせはあるのに内見されないのか。内見はあるのに申込みにならないのか。
この違いによって対策は変わります。
問い合わせがなければ、賃料や写真、掲載状況、募集条件を確認します。内見があるのに決まらないのであれば、室内状態や共用部、駐車場など、現地で初めて分かる問題を疑います。
募集から成約までのどこで止まっているのかを把握し、その部分を改善する。
これがリーシング戦略の基本です。
賃貸募集では仲介会社との連携が非常に重要です。しかし、募集図面を渡して終わりでは十分ではありません。
特に郊外では、大手仲介会社の営業エリアから外れていたり、他社管理物件を積極的にネット掲載しない場合もあります。
そのような場合には、管理会社自身でSUUMOやアットホームへ掲載したり、既存の法人契約先へ追加需要がないか確認したりする方法もあります。
地域の仲介会社へ働き掛けることもできます。
当社では、空室が埋まるまでは、管理会社自身も客付けに動くくらいの意識が必要だと考えています。
もちろん、自社仲介にこだわる必要はありません。他社で早く良い条件で決まるのであれば、それで良いと思います。
目的は仲介手数料ではなく、オーナー様の物件を良い条件で稼働させることです。
募集開始時に家賃や条件を決めても、そのまま半年間待つだけでは戦略とは言えません。
反響がどうだったのか。仲介会社からどのような意見があったのか。競合物件が増えたのか。逆に減ったのか。
こうした状況を見ながら、必要に応じて修正していきます。
ただし、反響が少ないからといって毎回家賃を下げるわけでもありません。
写真を変える。募集コメントを変える。初期費用を調整する。近隣駐車場を探す。法人需要を探す。仲介会社への周知方法を変える。
一つの手が効かなければ、次の手を考える。
満室になるまで考え続けることが重要です。
空室が続くと、リフォームや設備追加の話になりやすいと思います。
しかし、高額な工事を行う前に確認できることはあります。
写真や募集図面は適切か。共用部はきれいか。募集条件は市場に合っているか。物件情報は十分に露出しているか。仲介会社が紹介しやすい状態になっているか。
こうした基本的な部分を整えるだけで改善するケースもあります。
もちろん、必要な設備投資は行うべきです。
ただし、工事をすること自体を空室対策にしないことが重要だと思います。
投資するのであれば、それによって賃料が上がるのか、成約率が上がるのか、投資回収できるのかまで考える必要があります。
全ての物件に共通する万能な空室対策はありません。
駅前の単身物件と、郊外のファミリー物件では戦略が違います。築浅と築古でも違います。住宅と事業用でも違います。
郊外なら駐車場が重要になることがあります。法人需要が強い地域なら企業への働き掛けが有効かもしれません。築古なら新築と設備競争をするより、広さや家賃とのバランスを強みにした方が良い場合もあります。
つまり、戦略的リーシングとは、流行している空室対策をそのまま導入することではありません。
その物件が誰に選ばれるのかを考え、その人に届く条件と募集方法を作ることです。
ただ満室になれば良いわけでもありません。
大幅に家賃を下げ、広告料を増やし、高額な設備投資をすれば成約しやすくなるかもしれません。
しかし、それでオーナー様の手残りが減ってしまえば意味がありません。
当社では、できるだけ良い条件で、できるだけ早く決めることを目指すべきだと考えています。
家賃を守るところは守る。必要なところには費用を掛ける。効果が薄いものには使わない。
この判断こそが、管理会社に求められる仕事だと思います。
空室対策には、一つの正解があるわけではありません。
家賃を下げることも一つの手です。設備を追加することも、広告料を増やすこともあります。
しかし、それだけではありません。
募集方法を変える。写真を変える。仲介会社への働き掛けを変える。法人需要を探す。駐車場を確保する。初期費用を見直す。物件の強みそのものを見直す。
満室にするための打つ手は無限にあります。
重要なのは、その中から何を選び、どの順番で実行するかです。
当社では、空室が出た時に「何をすれば良いですか?」と一つの答えを探すのではなく、まず原因を考え、対策を行い、その結果を確認し、次の手を考えることを大切にしています。
戦略的リーシングとは、特別なテクニックではありません。
仮説を立て、実行し、結果を見て改善する。それを満室になるまで繰り返すこと。
そして最終的には、単に満室という状態を作るだけではなく、オーナー様の収益をできるだけ高い状態で満室にすること。
それが当社の考える戦略的リーシングです。